標準体重・美容体重・シンデレラ体重とは。BMI、体脂肪率との違いも解説

 ダイエットをして体重を落としたけれど、思ったような体型にならず、どこまで減量すればいいのか悩んでいる人はとても多くいます。

 目標体重を決める中で、美容体重やシンデレラ体重、モデル体重という言葉を聞いたけれど、それってどれくらいの数字? 実際の見た目の違いは? どんな影響が出るの?

 この記事では、プロのパーソナルトレーナーが標準体重・美容体重・シンデレラ体重についての解説とそれぞれの違い、それを理解するために必要なBMI、体脂肪率、そして計算式について詳しく解説します。

標準体重(適正体重)とは

 標準体重とは、肥満と関連する糖尿病、高血圧、脂質異常症などの病気になりにくいと言われている体重のこと(※1)。太り過ぎでも、痩せ過ぎでもない、健康リスクがもっとも低い体重数値です。

 肥満はもちろん、痩せ過ぎも健康リスクが高まります。とくに問題になるのが女性。痩せすぎが原因で、低栄養状態からの貧血や月経不順が起こります。また、高齢者では免疫力の低下や、転倒による寝たきりの状態を引き起こしやすくなると考えられています(※1)。

 女性の体重と死亡率について調査された報告では、女性の痩せすぎは死亡確率が1.55倍高まったという結果(※2)が示されました。また体重と月経の関係を調べた調査では、低体重の女性は月経不順が起こりやすかったと報告されています(※3)。

 健康を守るためには、標準体重をキープしていくことがとても大切です。では標準体重はどれくらいの数値なのでしょうか? 標準体重は「BMI(Body Mass Index)」という指標を用いてチェックします。

参考文献・サイト
※1 医学的に理想の体重とは
※2 Body Mass Index and Mortality From All Causes and Major Causes in Japanese: Results of a Pooled Analysis of 7 Large-Scale Cohort Studies
※3 慶應保健研究 (Bulletin of Keio University Health Center) 女子高校生における続発性無月経

BMIとは

 BMIとは肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、肥満や低体重(やせ)の判定に用いられます(※4)。

 もう少しわかりやすい言い方をすると、身長に対して体重が重いかどうかをチェックする指標のことです。たとえば、体重が60kgでも身長が150cmの人には少し重めの体重ですし、170cmであれば少し軽めの体重になります。

 このように、同じ体重でも身長によって太りすぎか痩せすぎかは違ってきます。それを判定するための指標がBMIになるのです。

BMIの計算式

 BMIは体重(kg) ÷ 身長(m)2で計算できます。計算する上で注意しなければいけないのが身長の部分。センチメートルではなくメートルで計算します。身長160cmの場合は 1.6m x 1.6mとして計算します。

 たとえば身長160cm、体重60kgの人のBMIを計算してみると以下のように計算されます。

60(kg) ÷1.6(m)2 ≒ 23.44(kg/m2)

 さっそくあなたのBMIを計算してみましょう。

BMI数値の見方(痩せ~肥満の数値)

 BMIは、高ければ太っている、低ければ痩せていると判定されます。標準的なBMIは18.5以上〜25未満。その中でもっとも良いと言われているのがBMI22です。BMI18.5未満は痩せ、25以上は肥満と判定されます(※4)。

 健康的な体を保つためには、BMIは22前後に保っておくことが理想的であると言えるでしょう。

※4 厚生労働省 e-ヘルスネット

美容体重とは

 美容体重とは、第三者からみて美しいと思われる体重のこと。標準体重よりもやや低いBMI20程度を指します。

 BMI22は健康的な観点から見て標準的な体重です。しかし、見た目の評価は含まれておらず、BMI22で見た目が美しいかどうかは判断できません。

 日本人男性の平均BMIは23.8、女性は22.5となっており、男性では平均的にはやや痩せているといえ、女性ではBMI22だとほぼ平均といえます(※5)。細めが美しいという価値観を持つ人が多い日本では、BMI22は平均的であり美しいと判断されにくいかもしれません。

 そのため、平均的な体重よりもあきらかに細いと考えられるBMI20程度が美しく見られる美容体重であると言われています。

美容体重の計算方法

 美容体重は 身長(m)2 x 20 で計算することができます。たとえば身長160cmの場合は、以下のように計算されます。

1.6(m) 2 x 20(m2/kg) = 51.2(kg)

※5 令和元年国民健康・栄養調査報告

シンデレラ体重、モデル体重とは

 シンデレラ体重、モデル体重とは、美容体重よりもさらに低いBMIや体重のこと。芸能人やモデルなどに多い体重と言われています。

 一般的にシンデレラ体重、モデル体重はBMI18。BMI判定では痩せすぎの領域に入ります。痩せすぎでは、先ほど書いたように月経不順や貧血などの健康リスクが高まります。

 2017年には、フランスでBMI18未満のモデルの活動を禁止する法律が施行されました。もともと細い骨格を持っており、職業として体型を作るモデルたちでさえ、BMI18未満では健康な体を保てないことから、このような法律が施行されています。それくらい、BMI18では健康的な状態を保つのは難しいのです。

 そのため、無理にBMIを18まで落としたりキープすることはまったくオススメできません。

体脂肪率とは

 体脂肪率とは、体重に対して体脂肪の重さが占める割合のこと。体脂肪率が高いと、体力の低下や美容的に見栄えがしないなどの問題が起こります。

 BMIが標準でも安心はできません。問題なのはその中身です。体脂肪率が高いことで体力が低下し、疲れやすい体にもなります。体重が標準でも体脂肪率が高い、それは体重に対しての筋肉量が少ないということ。筋肉量は体力に直結するため、筋肉量が少ないと自分の体を支える力が弱くなり、すぐに疲れる体になってしまいます。

 また、体脂肪は見た目にも影響します。体脂肪は筋肉と比較して約20%サイズが大きく、柔らかく下に垂れる性質があります。そのため、体脂肪率が高く筋肉量が少ないと、全体的に垂れた印象の体型になってしまいます。

 体脂肪率は必ずしもメタボリックシンドロームリスクの増加に直結しませんが(※6)、体力や見た目に影響を与えます。

体脂肪率の計算方法

 体脂肪率は体脂肪の重さが体重に対して占める割合を表していることから、以下のように計算します。

体脂肪量(kg) ÷ 体重(kg) x 100 = 体脂肪率

 この計算をするために、体脂肪量を測定する必要があります。しかし、正確に体脂肪量を測定するには人体から直接脂肪だけを取り出すか、研究施設で測定をしなければいけません。ですから一般の人が正確に測定することはできません。

 一般の人は体重計に付属している体脂肪計を利用して測定することになります。体重計に付属している体脂肪率計の測定方法はインピーダンス方式といって、体内に微弱電流を流し、その抵抗値から体脂肪率を推定します。

 しかし、その方法はとても誤差が大きく、実際に実験室で行われる正確な測定方法とインピーダンス方式を比較した場合、±8%程度の差があったという報告がされています(※7)。そのため、家庭用の体脂肪率では正確に自分の体脂肪率を測定することは難しいのです。

 正確に把握することが難しい体脂肪率ですが、一定期間、測定条件を揃えて測定し続けることで、大まかに増えたか減ったか把握することが可能です。

 測定条件を揃えるためには、朝に起床し、トイレに行った直後に測ること。この条件で長期的に継続して測定を行っていきましょう。

体脂肪率の見方(痩せ~肥満の数値)

一般的に健康とされる体脂肪率の目安は、男性で10〜19%、女性で20〜29%(※8)。それ未満であれば痩せ、それ以上であれば肥満と判定されます。

 低ければいいと考えられがちな体脂肪率ですが、低すぎても健康リスクが高まります。とくに女性は月経不順などになりやすいと考えられており(※9)、適度な体脂肪率を保つことがおすすめです。

※6 厚生労働省e-ヘルスネット 体脂肪率
※7 Body Composition Changes in Bodybuilders: A Method Comparison
※8 オムロンヘルスケア 体脂肪率や内臓脂肪レベルを知っていますか?
※9 体型について。やせすぎ、太りすぎのリスクと対策

体型変化を確認する方法

 体重、BMI、体脂肪率、目視、メジャー計測……どれが体型チェックに最適なのでしょうか。体型の変化を確認するには、これらの方法を複数組み合わせて使うと効果的です。それぞれでチェックできることが違うからです。

 体重・BMIは、大まかに自分が太っているか、痩せているかという目安に使うと良いでしょう。体脂肪率や骨格などによって見た目に差が出るとはいえ、体のサイズにもっとも大きな影響が出る部分です。健康的な範囲で自分の目指すべき数字を決めましょう。

 体重の割に見た目が太いという人は、体脂肪率をチェックすると良いでしょう。正確な値を出すことが難しい体脂肪率ですが、継続して測定することで大まかな体脂肪率の増減がチェックできます。

 実際に細くなっているか、太くなっているかチェックするためには、メジャー測定を行いましょう。体重は減っているが見た目が良くなっていない、体脂肪率は増えているという場合、体のサイズが変わっていないことがあります。

 全体的なバランスや体の質感をチェックするためには、目視が大切です。「体重は落ちたし体のサイズは落ちた、でも全体的なバランスが悪くて脚が太い」ということもあります。そうしたバランスの悪さを整えるためには、目視でチェックをすると良いでしょう。

体重の数値がコロコロ変わるのはなぜ?

 毎日体重を測っていたり、一日の中で何回か体重を測っていると体重計の数値が大きく変化する経験をしたことがある人は多いと思います。その原因は、体内の水分や胃腸に残っている食品です。

 コップ一杯の水は約200ml。重さは当然200gあります。それを飲むとその200gが体重に反映されます。

 人間は、1日のうち食品や飲料から1L程度の水分を摂り、食品も食べます。一方で、汗やトイレなどで出ていく量は日によってばらつきがあります。そのため入ってくるぶんが多く、出ていくぶんが少ないと体重は増加し、出ていくぶんが多いと体重は減少するのです。

体重と見た目の関係性

体重が低ければ見た目も細い?

 基本的に、体重が低ければ見た目も細いと考えて良いでしょう。筋肉でも脂肪でも水分でも、体の中に多く含まれていれば、そのぶんシルエット全体が大きくなります。逆に少なければ体全体のシルエットは小さくなります。

 実際に、BMIが高ければ太く見えるのか、低ければ細く見えるのか調査した報告では、BMIが高いと太く見え、BMIが低いと細く見える傾向がみられました(※10)。

 個人差はありますが、体重・BMIは見た目の太さ、細さに大きな影響を与えると考えられます。

体重が重くても見た目が細いパターンとは

 体重が重いと太く見え、逆に軽いと細く見える傾向にあるとはいえ、体重が重くても細く見えるパターンもあります。それは体脂肪率が低く、筋肉量が多い場合です。

 同じ重量でも、筋肉は脂肪と比較してサイズは小さく硬く、垂れにくい性質を持っています。ですから平均的なBMIである22でも、筋肉量が多ければ細く見られます。

 ただし、注意しなければいけないのは、体重も体脂肪率も低ければ細くは見られますが、美しく見られるかどうかは別問題であるということです。必ずしも細い=美しいではありません。体重と見た目の印象を調査した報告では、標準的なBMIと痩せすぎのBMIで、美しいと感じられる程度にほとんど差はありませんでした(※10)。

 体重や体脂肪率は減らすことで細く見られるようになります。しかし、月経不順などの健康リスクが増加したり、美しく見られないこともあります。無理に体重を落とすことはやめて、健康的な体重・体脂肪率の範囲に収めるようにしましょう。

※10 女性の体型と姿勢の関係が美的印象に及ぼす影響

体重や体脂肪率が低い=理想の体型ではない

 どこまで体重を落とせば理想の体型になれるのか悩みますが、必ずしも体重や体脂肪率が低ければ低いほど理想の体型に近づけるわけではありません。

 美しい体を作っていくためには、健康を保つことが必要です。体重を落とすことのみにこだわることなく、美しい体を作っていくことを意識しましょう。

[プロフィール]
藤本千晶(ふじもと・ちあき)
女性の体型改善専門パーソナルトレーナー、オンラインダイエットコーチ。保有資格CSCS*D、スポーツ科学修士。仙台大学大学院修士課程修了後、アスリートのトレーニングコーチなどを務める。2018年からフリーランスとなり、栃木県宇都宮市で女性の体型改善専門パーソナルトレーナーとして活動。クライアントの年齢による体型の変化と、健康の悩みに日々向き合いながらも、ブログやSNS、メディアでの情報発信、オンラインビデオコースの作成を通じて、多くの女性に貢献している。NSCAジャパン北関東アシスタントエリアディレクターとしても活動。地域のパーソナルトレーナーにスキルアップの機会を作る企画・運営も務める。
オフィシャルHP:http://scoprire.jp
Instagram:https://www.instagram.com/chiakifujimoto/

<Text:藤本千晶>

Source: メロスブログ
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