デスクワークで猫背になりがち、スマホのやり過ぎで姿勢が悪い……腰痛の原因はたくさんあります。
今回は、腰の痛みを感じたときのストレッチと自宅筋トレについて、日本体育協会公認アスレティックトレーナー、日本障害者スポーツ協会公認障害者スポーツトレーナーの資格を持ち、東京有明医療大学保健医療学部柔道整復学科で准教授を務める小山浩司先生にお訊きします。
腰痛を予防する方法1「胸と股関節のストレッチ」
腰ではなく、胸と股関節まわりをほぐす
腰の骨というのは構造的に「ひねる」ようには作られていません。じゃあ、どうやって体をひねっているのかというと、腰の上下、胸と股関節がそれを助けているのだそう。
「肘を肩の高さにあげて肩から前後に動かしてみると、肩を前にだしたときには肩甲骨の間が伸び、反対に肩を後ろへ引くと肩甲骨が背中の中心に寄るのがわかるでしょう。肩甲骨は肋骨にくっついているので、これを動かすと胸が開き、背骨もそれに連動して動きます。ここと股関節が腰をひねる動きをサポートしているのです。ですから胸と股関節の柔軟性が低くてよく動かないと、もともとひねる動きが苦手な腰骨が自分でがんばらないといけなくなり、負担がかかってしまうのです」(小山先生)
そのため胸と股関節のストレッチが、実は腰への負担を減らしてくれるというわけ。
腰が痛いと、ついつい体を前や後ろへ倒して腰を伸ばしたり、まわしたりしてしまいがちですが、むしろ肩甲骨を動かして胸を開きやすくしたり、股関節のストレッチをした方が効果的なのです。
◆イスに座り、足を伸ばす
「椅子に座って足を床と水平に伸ばすと、腿裏のストレッチになります。ここの筋肉は骨盤につながっているので、腿裏が固いと骨盤が動きにくくなるんです」(小山先生)
◆横になり、足同士を重ねてカラダ側に引き寄せる
「また、横になって片足の上に反対の足を乗せ、乗せた方の足を自分の体に引きつけるという、おしりの筋肉のストレッチも効果的です。こうしたストレッチはスポーツをする前後にやるといいでしょう」(小山先生)
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