走る前の「準備運動(ウォームアップ)」でランニング効果を高める

 マラソン指南書などには、「市民マラソンにはウォームアップは必要ありません」という記載がよくあります。これはフルマラソンの前半はゆっくり走るためそれがウォームアップになる、あえてスタート前に体力を消耗させることはないといった理由からくるものが多いでしょう。

 最初から最後までゆっくり走るジョギングなら、ウォームアップは必要ないと発言する指導者も少なくありません。

 しかし、ジョギングより速いペースで走るとなると、話は別です。短・中距離のインターバル走の練習や、5kmレース、あるいはサッカーや運動会かけっこなど。どのような理由であれ、ある程度のスピードで走る予定がある場合は、しっかりウォームアップを行いましょう。そうしないと十分なパフォーマンスが発揮できないだけでなく、怪我のリスクまで高まります。

 私が指導する高校クロスカントリー走部のレース距離は3マイル(4.8km)。長距離走にカテゴリー分けされますが、その走るペースはジョギングよりはずっと速いものです。したがって、私たちは毎日の練習やレース前には、いつも決まったルーティンで入念なウォームアップを行っています。

 ここで、その実際の例を紹介しましょう。

スロージョグまたは早歩き(約10分)

 まずは、ゆっくりしたペースでジョグします。高校生ランナーたちには400mの陸上トラックを3周させていますが、一般の人はそれより短い距離でかまいません。最初の半分くらいは歩いてもよいでしょう。

 ここでの目的は、ゆるやかに心拍数と体温を上げること。そのため、距離やスピードは問題ではありません。それより大切なのは、約10分間という時間をかけて、心拍数を最大心拍数の50~60%程度まで上げることです。そうして、少しずつ体と心を走るモードに切り換えていきます。

60~80%の短距離走リピート(100mを6本)

 次に約100mをややスピードを上げて走ります。全速力の60~80%くらいの速さをイメージしてください。全部で6本走りますが、それぞれの間に1~2分の休息を挟みます。タイムを競うわけではありませんので、スタートはゆっくり入り、中間地点までに徐々にスピードを上げましょう。

 体が完全に温まっていないときに急加速をすると、ハムストリングスを痛めることがよくありますので注意してください。

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